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クライマーズ・ハイ [映画]

「西の魔女が死んだ」とどっちを観ようか迷いましたが・・・

クライマーズ・ハイを観て参りました。

1985年8月12日、日航123便が群馬県の御巣鷹山に墜落。
誰もが知っている最悪の航空機事故。
未曾有の大惨事を報道する立場の記者たちの格闘が描かれています。

日航機事故、もちろん私も覚えています。
ちょうど15歳の夏、受験生なのに私は信州の祖父の家に遊びに行っていました。
恐らくその日の夜はTVを見ていましたが、途中で中断されたような。
一瞬にして520人もの命を奪った事故に、恐ろしさを感じずにはいられませんでした。

架空の新聞社、北関東新聞が舞台です。
遊軍記者・悠木は日航機事故の全権デスクに任命されます。
社内にはピリピリとした空気が流れ、時には怒号も飛び交う緊張感。
観ているこちら側も思わず吸い込まれてしまいました。
現場でスクープをモノにしようと奮闘する現場と、過去の栄光にこだわる上層部。
刻々と迫る締切時間との戦いや、広告部や販売部といった他部署のとのせめぎあいなどがリアルに描かれていました。

私も一応報道というか、知らせる立場の仕事をしているので見ていて考えさせられました。
もちろんPTAの広報部と、れっきとした新聞社とは立場が違いますが。
事故報道で、自分達が必死で取ってきた広告を削除されて激怒する広告部。
また締切時間が延び、新聞の配送が遅れると抗議する販売部。
彼らは自分達の仕事を忠実にしているだけなのですが、ここでは悪者扱い。
スクープをすっぱ抜きたい女性記者を抑えるデスク。
しかし真実を報道したいデスクは、慎重に裏づけを取る姿勢を貫きます。
彼の口癖「チェック、ダブルチェック・・・」。
真実か、スクープか?という二者択一の選択を迫られる姿に、胸を打たれました。

悠木を演じた堤真一さんを始めとした俳優陣がきっちりと演技をし、とても引き締まった映画になったと思いました。
堤さんは本当に演技の幅が広いですね。
個人的には鈴木オートの社長が好きなのですが、冷静沈着な役柄もいいです。
最近は堺雅人さんの出演作がヒットしているようですね。
今回はギラギラした目をしている場面もあり、演技の上手な俳優さんだと再認識しました。

ラスト近くの場面で、日航機の乗客の書いた遺書を読む場面には衝撃を感じました。
彼らの無念はいかばかりだったろうか・・・
大きなスクープだけでなく、そういった感情をすくい上げるような報道も必要だと強く感じた2時間でした。

クライマーズ・ハイ (文春文庫)

クライマーズ・ハイ (文春文庫)

  • 作者: 横山 秀夫
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2006/06
  • メディア: 文庫

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コメント 5

ado-chan

この映画は観ないと決めていましたが
新聞記者側のドラマなのですね。


by ado-chan (2008-07-17 12:22) 

tomotomo

日航機事故はかなり鮮明に覚えています。
新聞社側のお話だと、涙するというよりピリピリ張り詰め感を
味わう感じなのでしょうか?
by tomotomo (2008-07-18 15:17) 

カオリン

摩亜さん、nice!ありがとうございました。m(__)m
by カオリン (2008-07-20 21:35) 

カオリン

ado-chanさん
この映画は日航機事故を描くというより、それを報道する記者側のドラマでした。
その途中途中に悠木の親子関係が入ってくるので、ストーリーに深みを持たせているように感じました。
by カオリン (2008-07-20 21:40) 

カオリン

tomotomoさん
お互いにちょうど学生だったと思うので、かなり衝撃を受けたのではないでしょうか?
>新聞社側のお話だと、涙するというよりピリピリ張り詰め感を味わう感じなのでしょうか?
そうですね、少しでもいい紙面を作ろうとする記者達の張り詰めた感じがよく表現されていました。
by カオリン (2008-07-20 21:44) 

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